[官能小説] 熟女の園 新成人 ~大人になった孫の告白~
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新成人 ~大人になった孫の告白~

 孫の太一が成人を迎え晴れて今日、成人式へと参加したのです。新成人代表としてあいさつする太一はとても立派な姿でした。昔は泣き虫だった子があんなにも立派になったのだと思うと観覧席からその姿を見ていた私は感慨深いものがありました。







 太一が7歳の時に事故で両親は亡くなってしまい、以来私と夫の二人で育ててきました。その夫も3年前に他界していまは二人きりです。私は64歳、20歳の太一は高校を卒業して地元企業で働いています。

「ばあちゃん!」

 式が終わり見学していた私が帰ろうとしていると太一が私の方へと走ってきました。先ほどまで友人たちと記念写真を撮ったりして愉しんでいるようでしたので邪魔をしてはいけないとそそくさと帰ることにしていたのです。

「太一、どうしたの?同級生のみんなが待っているんじゃないの?この後同窓会もあるんでしょう?」

「駅まで送っていくよ。それくらいは時間あるから」

 太一は私の手を取って会場の外へと向かいはじめました。久しぶりに握った太一の手は子供のころよりもずっと大きくなっていました。20にもなって恥ずかし気もなく私の手を握る太一に私の方が恥ずかしくなってしまいます。
 会場から駅までは歩いて10分程度、新品の背広姿の太一と地味な着物姿の私はずっと手を繋いで歩いていました。

「ばあちゃん今日は来てくれてありがとう」

「太一の成人式だもの。私が来なくてどうするのよ」

「うん、そうだね。ばあちゃんはいつも優しくて僕のこと見てくれてるもんね・・・」

 太一はなにか言いたそうでしたがそこで言葉を切りました。なんだか様子が先ほどまでと違い私は太一のことが気になってしまいます。そっと横から顔を覗き込むと深刻そうな表情をしていました。

「どうしたの?体調でも悪いの?」

「そんなことないよ。ただ・・・ばあちゃんに言いたいことがあるんだ」

「なあに?」

 太一は立ち止まり私の方を向きました。そして目を見開いて覚悟を決めた様に深呼吸して口を開いたのです。

「ばあちゃんが好きだ」

 私は一瞬キョトンとしてしまいました。いい子だとおもっていましたが大人になってもそう言ってくれるなんてうれしい限りです。

「ありがとう。私も太一が大好きよ」

「そうじゃないよ・・・ばあちゃんを・・・女として好きなんだ・・・ずっと、ずっと前から」

 そう言うと太一は顔を寄せてきました。私はどうしたらいいのかわからず固まっているとそのまま唇に太一の唇が重なってきました。人が少ないとはいえ路上の公衆の面前で孫が私にキスをしているのです。
 突然のことにパニックを起こしてしまい、太一を突き放しました。

「なに?どういうことなの?」

「だからばあちゃんが好きなんだ。ばあちゃんのことを女として見てて、この気持ちどうしようもないんだよ」

「そんなこと言われてもねえ・・・」

 孫と祖母、そういった関係で恋愛感情を持たれてもどうすることもできません。ましてや私みたいな老婆に太一がそんな感情を抱くなんてすぐには信じられませんでした。しかしキスをされたのは事実で目の前の太一は冗談を言っているようにも見えません。

「おかしなこと言ってるのは分かってるよ。でも本気だよ。自分のばあちゃんが好きなんておかしいけどこの気持ちはどうにもできないんだ」

 太一は両手を広げて私を包み込むように抱きしめました。わずかなコロンの匂いと温かい孫の身体に包み込まれました。太一はそのまま顔を再び近づけてきてまた私の唇へとキスをしたのです。さっきは軽く触れる程度でしたが今度は強く押し付けられ、私の唇を吸いついています。
 私たちの横を通っていく人たち数人がこちらを見ています。カップルや子連れの家族、さらには私の同世代の方まで物珍しそうなものを見るような目で見ながら通り過ぎていきました。

「わかった。わかったから・・・太一のきもちはよーくわかった」

 やっと唇を離してもらうと私は顔を赤くして目を背けながらそう答えました。恥ずかしくてとても目が合わせられません。

「ばあちゃんホント?僕の気持ち分かってくれた?」

「よくわかったからちょっと離れてくれない?人前でこんなこといきなりするなんて恥ずかしいわよ」

 太一ははっとしたように私から離れて急に恥ずかしそうにしました。

「ごめん。自分でも我慢できなくなっちゃったんだ。今考えたら自分でも恥ずかしいよ。ちょっと歩こう」

 太一は私の手を引いて足早にその場を離れていきました。私も見ていた人たちから遠ざかりたくて早足で着いていきます。
 突然の告白とキスに驚きましたし恥ずかしかったですがなんだか胸が踊るような気分でもありました。愚直でまっすぐな太一の行為にかつて学生時代に私が感じていた「恋心」のようなときめきを感じてしまったのです。手を引く太一の手に力が入っていきました。


「ばあちゃん・・・」

 駅の近くの路地裏に逃げ込んでそこで太一は再び私を抱きしめてキスをしました。今度は誰も見ていません。私も余計なことを考えず唇に触れる太一の唇の感触に集中しました。キスは慣れた様子でとても上手だったことに驚きました。私の知らないところで誰かと付き合っていたのでしょう。

「こんなことして冗談だなんていったら怒りますよ」

「そんなわけないよ。僕がそんな悪い子じゃないってことくらいわかるでしょ?」

「ええ、そうね・・・でも私複雑な気持ちなの。太一の気持ちはうれしいけどやっぱり・・・」

 どんなに好きと言われても血の繋がった祖母と孫、これ以上の関係になることなんてできません。許されることではないのです。

「おばあちゃんはいまどう思ってる?」

「え?」

「僕のことどう思ってる?やっぱりただの孫?」

 そう聞かれるとなんて答えるべきか迷ってしまいます。今朝まではただの孫にしかすぎませんでした。でも今は違います。目の前の新成人をただの孫という目では見れなくなってしまったのです。まっすぐに私を見つめる純粋な瞳、そして若く凛々しい顔つき、こんな人に好きと言われて断れないのは私の中に僅かでも女の気持ちが残っているからなのかもしれません。

「私もね、好きよ。太一のことが・・・男して好きに・・・なっちゃいそう」

 これだけ言うのが精一杯でした。
 太一は私の身体を強く抱きしめました。このまま身体が砕けてしまうのではないかというくらいにきつく私を抱きしめたのです。

「そう言ってくれてうれしい。好きになって欲しい。それに好きならそれでいいんじゃないかな。たとえ孫とばあちゃんだって男と女なんだから仕方ないよ」

「そうかもしれないわね・・・」

 見上げて太一の顔を見つめると再びキスをしました。今度は私からも顔を寄せ、唇を求めていきます。
 唇が重なった瞬間、まるで心に虹がかかったような爽快な気分でした。



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