戦下の親子 外伝~親子の結婚式、51歳白無垢で息子と初夜~
よく晴れた春空の下、ある神社で一組の夫婦の結婚式が執り行われていました。
参列者はごくわずか、まるでわざと人を呼ばなかったようなこじんまりとした式です。
羽織袴姿の新郎の男性が本殿へと入っていきます。何の迷いも感じさせない堂々とした物腰でとても頼りがいがありそうでまさに理想の夫と新郎といった趣があります。彼は吉岡昭夫、私のれっきとした息子です。
そして隣に並ぶ白無垢の新婦、顔を隠すように大きな綿帽子を被り新郎の横に並んでいます。肌を真っ白にしてそこへ浮かび上がる赤い唇、しっかりと化粧を施されていて見る人は美しいと感嘆の言葉を洩らします。その新婦こそ私、吉岡華江なのです。
参列者はごくわずか、まるでわざと人を呼ばなかったようなこじんまりとした式です。
羽織袴姿の新郎の男性が本殿へと入っていきます。何の迷いも感じさせない堂々とした物腰でとても頼りがいがありそうでまさに理想の夫と新郎といった趣があります。彼は吉岡昭夫、私のれっきとした息子です。
そして隣に並ぶ白無垢の新婦、顔を隠すように大きな綿帽子を被り新郎の横に並んでいます。肌を真っ白にしてそこへ浮かび上がる赤い唇、しっかりと化粧を施されていて見る人は美しいと感嘆の言葉を洩らします。その新婦こそ私、吉岡華江なのです。