AVの世界 ~AV男優の息子~
※本作ではAV業界を舞台にしていますが架空設定であり現実とは異なります。
伝統のある地方の名家に生まれた俺は物心ついたころから厳しく育てられてきた。父も母も厳しくそれが当たり前だと思っていたが徐々に他の家との差を感じはじめ反発するようになった。そして大学で東京に進学した時に勝手に大学を辞め、家と縁を切ったのだ。
大学を中退した後はいろんなバイトをしたりしながらなんとか食いつないでいた。親の力に頼らず生活をしてはじめて自分が生きているんだと実感でき貧しいが充実した日々だった。
中退してから3年が過ぎ、22歳になった俺はとある職業で働いていた。
「おおはようございまーす」
「カイトくんおはようございます。今日も早いですね」
マンションの一室に入るとそこには何人もの人間が俺を出迎えてくれた。カメラや音響機材の調整を行うスタッフに役者の世話係、撮影監督、映画やドラマと比べるとずっと少人数だが最低限の撮影スタッフが揃っている。奥のテーブルで台本を確認している年配の男性のもとへといって一礼した。
「監督、おはようございます。今日はよろしくお願いします」
「カイトくん、君みたいな有望な新人男優が引き受けてくれて嬉しいよ。こちらこそよろしく」
「はい!」
俺はいま役者をしている。けれどそれは普通の役者ではないAV男優だ。
1年前にバイトで偶然一緒になった人に誘われてAVの世界へと足を踏み入れた。最初はまともに女優に触れることもできない発射だけの役だったがその時の監督に気に入られてたびたび呼んでもらい、それから本格的に女優の相手をする男優となり今では若手人気男優と呼ばれ雑誌やネットにも紹介されるようになってしまった。
自分では特別だとは思っていないが女優からの受けが良く、才能があると業界関係者からもよく言われている。それなりに仕事を貰い今ではAV男優として生計を立てることができていて俺もこの業界に感謝していた。
「聞いてるかもしれないけど今日は新人の熟女の人なんだ。大丈夫だよね?」
「はい、大丈夫です。ちゃんとやりとげますから」
今まで熟女とも何度も絡みがあるしどんな相手が来ても仕事だと思えば抱くことに抵抗はなかった。今日もいつも通り仕事をするだけだと台本を確認しながら新人女優の人が到着するのをスタッフとともに待つことにした。
「柳川みどりさん入られまーす」
「え?」
俺はその名前を聞いてドキリとした。視線を玄関の方にやると部屋に入ってきたのは50前後の和服姿の女性、ややふっくらとしていて控えめの化粧と纏めた綺麗な黒髪、それは俺の母親だった。
「はじめまして柳川みどりです。こういったことはなにぶん初めてですので皆様のご指導よろしくお願い致します」
「こちらこそよろしくおねがいします。私が監督の黒川、そしてあちらが今回相手役を務めて下さるカイトくんです」
俺はおもむろに立ち上がり数年ぶりにある実母に頭を下げて挨拶をした。額から脂汗が出て身体が震えてきてしまう。俺は本名を誰にも教えていないからここにいる人たちは俺たちが親子だとはだれも気がついてはいない。
「は、はじめまして。カイトと言います」
「カイトくん、みどりさんはぜひ君としたいと指名してきたんだ。しっかり指導してあげてよ」
「はっはいっ!」
指名されたことに驚いて声が上ずってしまった。どうして母がこんな場所にいるのだろうか、そしてカイトという男優が自分の息子だと分かっていて指名してきたのだろうか。なにも分からず焦ってしまうばかりだ。
「撮影の前にみどり・・柳川さんと二人で打ち合わせをしてもいいですか?」
「もちろんいいとも。みどりさんも不安な事はしっかりカイトに聞いてください。彼はプロですから。ハッハッハ!」
監督やスタッフから離れ俺は母と共に奥にある個室に向かった。そこは後で撮影用に使う和室、ここで唯一二人だけで話せる場所だ。
「あの、柳川・・・・さん」
二人きりになると母はため息をつき、他人用の顔から一気に怒りの籠った表情に変わり俺を睨んだ。やはり俺が息子だということは分かっているようだ。
「孝太郎、ずいぶん手間をかけさせましたね。それにこんな汚らしいことをしているなんて信じられない」
「母さん・・・どうしてここに」
「あなたを連れ帰るためです。こうでもしないと直接孝太郎と会う方法がなかったから仕方なく応募しました。さあこんなバカバカしい事はいますぐ辞めて帰りますよ」
母は俺の手を引いて部屋からすぐに連れ出そうとした。けれどその母の手を逆に引っ張って部屋の中へ母を留めたのだ。このまますんなり実家まで帰してもらえるわけがない。
「ダメだよ。撮影せずに帰ると違約金を取られるんだよ」
応募したもののいざ撮影の現場へ来ると怖気づいて嫌がる子はたまにいる。用意していたスタッフや他の女優を探さなければいけないため出演辞退する人には違約金を払ってもらうことになっているのだ。
「大丈夫、お金ならちゃんと用意してきましたから心配いりません」
母は鞄から封筒を出した。予め違約金の金額を聞いていて準備してきたのだろう。けれどそれではまだ問題は解決していない。
「それは母さんの分の違約金の金額。俺がここから抜けるってなると事務所との契約打ち切りや出演予定作のなんかの話もあるからこれくらいはかかるよ」
ざっと一軒家が建つくらいの金額を提示すると流石の母も青ざめた。すぐに用意できる金額ではない。新人の母に比べると男優だが俺の方がはるかに高い違約金を払わなければやめることができないのだ。
「それなら家に帰ってからあとで払いましょう」
「そんなことすれば家まで事務所の人来るよ。このこと父さんには言ってないんだよね?俺のことも母さんのこともあの人に知られたらただじゃすまないよ」
母は黙り込んでしまった。父に知れたらそれこそ家の名に泥を塗ったことが知れてしまい母は余計に困った立場になる。
「俺はいいから母さんはその金払って帰れよ」
「じゃあ孝太郎はどうするの?」
「俺は男優続けるよ。これが俺の仕事なんだ。家にはもう帰らない」
「そんな・・・じゃあこの後は他の女性とアレの撮影をするの?」
「そうだよ。もう母さんには関係ない話だけどね」
母は封筒を握りしめたまましばらく考え込んでいた。俺は母の決心がつけばすぐに監督に母の事態を告げに行くつもりで言い訳もすでに考えている。もう母と俺は住む世界が違うのだ。それを母が分かってくれればよかった。
「わかりました。今日は私が出ます」
母の予想外の言葉に俺は驚きを隠せなかった。
「どうして?AVなんだよ。しかも相手役は俺だよ」
「ここまで来て手ぶらで帰るなんてできません。せっかくだから出させてもらいます。さあ、実の母親相手にできるの?」
母は俺の仕事を邪魔しようと考えているらしい。実母相手に本当にセックスなんて出来はしないだろうと思っているようだ。俺はその挑戦を受けて立つことにした。
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伝統のある地方の名家に生まれた俺は物心ついたころから厳しく育てられてきた。父も母も厳しくそれが当たり前だと思っていたが徐々に他の家との差を感じはじめ反発するようになった。そして大学で東京に進学した時に勝手に大学を辞め、家と縁を切ったのだ。
大学を中退した後はいろんなバイトをしたりしながらなんとか食いつないでいた。親の力に頼らず生活をしてはじめて自分が生きているんだと実感でき貧しいが充実した日々だった。
中退してから3年が過ぎ、22歳になった俺はとある職業で働いていた。
「おおはようございまーす」
「カイトくんおはようございます。今日も早いですね」
マンションの一室に入るとそこには何人もの人間が俺を出迎えてくれた。カメラや音響機材の調整を行うスタッフに役者の世話係、撮影監督、映画やドラマと比べるとずっと少人数だが最低限の撮影スタッフが揃っている。奥のテーブルで台本を確認している年配の男性のもとへといって一礼した。
「監督、おはようございます。今日はよろしくお願いします」
「カイトくん、君みたいな有望な新人男優が引き受けてくれて嬉しいよ。こちらこそよろしく」
「はい!」
俺はいま役者をしている。けれどそれは普通の役者ではないAV男優だ。
1年前にバイトで偶然一緒になった人に誘われてAVの世界へと足を踏み入れた。最初はまともに女優に触れることもできない発射だけの役だったがその時の監督に気に入られてたびたび呼んでもらい、それから本格的に女優の相手をする男優となり今では若手人気男優と呼ばれ雑誌やネットにも紹介されるようになってしまった。
自分では特別だとは思っていないが女優からの受けが良く、才能があると業界関係者からもよく言われている。それなりに仕事を貰い今ではAV男優として生計を立てることができていて俺もこの業界に感謝していた。
「聞いてるかもしれないけど今日は新人の熟女の人なんだ。大丈夫だよね?」
「はい、大丈夫です。ちゃんとやりとげますから」
今まで熟女とも何度も絡みがあるしどんな相手が来ても仕事だと思えば抱くことに抵抗はなかった。今日もいつも通り仕事をするだけだと台本を確認しながら新人女優の人が到着するのをスタッフとともに待つことにした。
「柳川みどりさん入られまーす」
「え?」
俺はその名前を聞いてドキリとした。視線を玄関の方にやると部屋に入ってきたのは50前後の和服姿の女性、ややふっくらとしていて控えめの化粧と纏めた綺麗な黒髪、それは俺の母親だった。
「はじめまして柳川みどりです。こういったことはなにぶん初めてですので皆様のご指導よろしくお願い致します」
「こちらこそよろしくおねがいします。私が監督の黒川、そしてあちらが今回相手役を務めて下さるカイトくんです」
俺はおもむろに立ち上がり数年ぶりにある実母に頭を下げて挨拶をした。額から脂汗が出て身体が震えてきてしまう。俺は本名を誰にも教えていないからここにいる人たちは俺たちが親子だとはだれも気がついてはいない。
「は、はじめまして。カイトと言います」
「カイトくん、みどりさんはぜひ君としたいと指名してきたんだ。しっかり指導してあげてよ」
「はっはいっ!」
指名されたことに驚いて声が上ずってしまった。どうして母がこんな場所にいるのだろうか、そしてカイトという男優が自分の息子だと分かっていて指名してきたのだろうか。なにも分からず焦ってしまうばかりだ。
「撮影の前にみどり・・柳川さんと二人で打ち合わせをしてもいいですか?」
「もちろんいいとも。みどりさんも不安な事はしっかりカイトに聞いてください。彼はプロですから。ハッハッハ!」
監督やスタッフから離れ俺は母と共に奥にある個室に向かった。そこは後で撮影用に使う和室、ここで唯一二人だけで話せる場所だ。
「あの、柳川・・・・さん」
二人きりになると母はため息をつき、他人用の顔から一気に怒りの籠った表情に変わり俺を睨んだ。やはり俺が息子だということは分かっているようだ。
「孝太郎、ずいぶん手間をかけさせましたね。それにこんな汚らしいことをしているなんて信じられない」
「母さん・・・どうしてここに」
「あなたを連れ帰るためです。こうでもしないと直接孝太郎と会う方法がなかったから仕方なく応募しました。さあこんなバカバカしい事はいますぐ辞めて帰りますよ」
母は俺の手を引いて部屋からすぐに連れ出そうとした。けれどその母の手を逆に引っ張って部屋の中へ母を留めたのだ。このまますんなり実家まで帰してもらえるわけがない。
「ダメだよ。撮影せずに帰ると違約金を取られるんだよ」
応募したもののいざ撮影の現場へ来ると怖気づいて嫌がる子はたまにいる。用意していたスタッフや他の女優を探さなければいけないため出演辞退する人には違約金を払ってもらうことになっているのだ。
「大丈夫、お金ならちゃんと用意してきましたから心配いりません」
母は鞄から封筒を出した。予め違約金の金額を聞いていて準備してきたのだろう。けれどそれではまだ問題は解決していない。
「それは母さんの分の違約金の金額。俺がここから抜けるってなると事務所との契約打ち切りや出演予定作のなんかの話もあるからこれくらいはかかるよ」
ざっと一軒家が建つくらいの金額を提示すると流石の母も青ざめた。すぐに用意できる金額ではない。新人の母に比べると男優だが俺の方がはるかに高い違約金を払わなければやめることができないのだ。
「それなら家に帰ってからあとで払いましょう」
「そんなことすれば家まで事務所の人来るよ。このこと父さんには言ってないんだよね?俺のことも母さんのこともあの人に知られたらただじゃすまないよ」
母は黙り込んでしまった。父に知れたらそれこそ家の名に泥を塗ったことが知れてしまい母は余計に困った立場になる。
「俺はいいから母さんはその金払って帰れよ」
「じゃあ孝太郎はどうするの?」
「俺は男優続けるよ。これが俺の仕事なんだ。家にはもう帰らない」
「そんな・・・じゃあこの後は他の女性とアレの撮影をするの?」
「そうだよ。もう母さんには関係ない話だけどね」
母は封筒を握りしめたまましばらく考え込んでいた。俺は母の決心がつけばすぐに監督に母の事態を告げに行くつもりで言い訳もすでに考えている。もう母と俺は住む世界が違うのだ。それを母が分かってくれればよかった。
「わかりました。今日は私が出ます」
母の予想外の言葉に俺は驚きを隠せなかった。
「どうして?AVなんだよ。しかも相手役は俺だよ」
「ここまで来て手ぶらで帰るなんてできません。せっかくだから出させてもらいます。さあ、実の母親相手にできるの?」
母は俺の仕事を邪魔しようと考えているらしい。実母相手に本当にセックスなんて出来はしないだろうと思っているようだ。俺はその挑戦を受けて立つことにした。
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