[官能小説] 熟女の園 卒業式 ~あれから前編~
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卒業式 ~あれから前編~

 高校へ進学してすぐに大塚先生は学校を辞めてどこかへ行ってしまった。俺には何の連絡もなくいなくなってからは携帯を変えたのか全く音信不通になってしまった。いろいろなことを考え不安になることもあったができるだけ考えないようにしてきた。
 それから5年後、20歳になったとき同窓会で大塚先生のことを再び思い出す時が巡ってきた。




 高校へ進学してすぐに大塚先生は学校を辞めてどこかへ行ってしまった。俺には何の連絡もなくいなくなってからは携帯を変えたのか全く音信不通になってしまった。いろいろなことを考え不安になることもあったができるだけ考えないようにしてきた。
 それから5年後、20歳になったとき同窓会で大塚先生のことを再び思い出す時が巡ってきた。


 学校を辞めた先生はとある地方で予備校の講師をしていることを偶然同級生が知ったのだ。俺はその事を聞くとすぐに逢いに行くことにした。どうして姿を消したのか、その理由だけでも聞きたかった。知らない街で一日中予備校の前で張り込んでいると見覚えのある姿が建物からでてきた。

「大塚先生!」

 俺が声をかけると相手ははっとして振り向き、とても驚いていた。
 あれから5年、最後に会った時よりも少しばかり老け、皺も目立つようになっていたがやはり大塚先生だった。その姿に懐かしくなりいまにも涙が出てしまいそうだ。

「伊藤・・・くん?どうして・・・」

 俺を見た先生はとても混乱していて言葉が出ず立ち尽くしていた。すかさず駆け寄っていき俺の方から言葉をかけた。

「お久しぶりです。ずっと逢いたかったんです。先生のことをずっと・・・」

「ごめんなさい」

 小声で先生は謝り、俯いてしまった。姿を消した先生を責めたりする気はなかった。いつか終わる関係だと心のどこかで思っていた。けれど唐突に姿を消し、別れを言えなかったことだけが心残りだったのだ。

「ずいぶん変わったわねえ。すっかり大人になったのね」

「はい、もう5年も経ちます。先生は変わりませんね」

「そんなことないわよ。ちょっと行かないといけないところがあるから歩きながら話しましょう」

 そう言うと先生は歩みをはじめた。俺も隣に並んで見知らぬ街を歩いて行く。本当は手を繋ぎたいがその気持ちを堪えながら先生の横顔に時折目をやる程度にした。

「でもどうしてここがわかったの?」

「このまえ同窓会があったんです。その時3組の鈴木が先生とここで会ったって・・・」

「ああ、そうだったわね。鈴木君と偶然あったのよ。こんな離れた場所なら誰にももう合うことはないと思ったのに」

 先生はなんだか寂しそうにそう言った。どうして姿を消したのか、なにがあったのかを聞きたかったが俺はそれを聞くのが怖くて聞けなかった。なにを話せばいいのか分からずお互い無言のまま歩き続けていくと先生は保育園の前で足を止めた。

「ちょっと待ってて」

 そう言った先生はその保育園に入り、しばらくすると先生は小さな子の手を引いて戻ってきた。まだ3、4歳くらいの子供で小さな手で先生の手をぎゅっと握りしめている。

「伊藤くん。待たせてしまったわね」

「ママ、この人だあれ?」

 その小さな子は俺を見て、それから先生を見上げて「ママ」と言った。その事に今度は俺が驚いてしまった。以前は離婚していて子供もいなかった。なのにいまは子供がいるのだ。

「先生の子供・・・なんですね」

「ええそうよ。名前は大樹、私の子供。この年でお母さんになっちゃったの。大樹、この人はママの昔の知り合い。いい人なのよ」

 俺は戸惑いを隠せないまま子供の手を引いて歩く先生から少し離れて歩いていた。先生はきっと新しい人生を歩むことにしたから学校を離れてしまったのだろう。そして俺とも縁を切るつもりだったに違いない。もうこれ以上一緒にいてはいけない気がした。

「先生、俺はもう帰ります」

「え?もう遅いし今夜は家に泊まっていったらどう?宿はとってるの?」

「でも・・・先生の旦那さんとか・・・」

 俺がそう言うと先生は急に笑い出した。

「大丈夫よ。シングルマザーなの。だから家には大樹と私の二人きりだから遠慮しないで。大樹もこのお兄ちゃんがウチに来てもいいでしょう?」

「うん!」

 俺はそのまま先生の家へとついていくことにした。まだいろいろ聞きたいこともあり先生の近況を知りたいという気持ちもあったからだ。家はアパートで中に入ると本当に先生と子供しかいないことが分かった。
 夕食を作るまで大樹くんの相手をしてあげているとその顔立ちはどこかで見たことがある気がした。この子の親は俺の知っている人なのだろうか。学校の先生なのか、などいろんなことが頭を巡ってきた。

「いい子でしょう?」

「はい、本当にいい子ですね」

 食事を終えて大樹くんをお風呂に入れて寝かしつけた後、ようやく先生と二人でゆっくり話をすることができた。俺が遊んであげたことですっかり疲れてしまったのか大樹くんは奥の部屋でぐっすり寝入っている。
 俺はいろんなことを聞きたかったし話したいこともたくさんあった。だがいざ話すタイミングになると言葉がなかなか出なかった。俺の緊張を察してか先生の方から話しかけてくれた。

「大樹は伊藤くんが大好きみたいね。やっぱり自分の父親ってわかるのかしら」

「え!」



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