[官能小説] 熟女の園 孫の想い ~孫と祖母、禁断の結婚式~
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孫の想い ~孫と祖母、禁断の結婚式~

 真夏の暑さは消えてしまい、日中は陽が当たっていれば暖かいものの空気は冷たく感じられます。木々はすっかり紅葉して山を真っ赤に染め上げています。徐々に気温が下がって季節は冬へと向かおうとしていました。
 11月下旬、私は孫と結婚式を行いました。




 結婚を誓い合った私たちは集落の人にもそのことを告げました。いくら肉体関係をもっているとしても祖母と孫が結婚したいなど正気の沙汰ではありません。その話を聞いた人々はみんな怪訝な顔で私たちを見ました。
 人の理を外れたことを受け入れてもらえなくて当然です。私はだれにも理解されないだろうと諦めていました。

「みんなからどう思われてもおばあちゃんにプロポーズしたこと後悔なんてしてない。おばあちゃんがいてくれたらそれで充分なんだ」

 家では康彦は私にそう言って慰めてくます。それだけが私の心の支えでした。


 ある日、大山さんという集落を代々取り仕切っている家の方に呼ばれました。かつては村長という地位をずっと続けられていた家柄で、今は社会的地位はないものの、揉め事や集落を挙げての行事は全部大山さんが間に入って仕切っています。

「志津子さん、それに康彦君。わざわざ来てもらってすまないね」

 康彦とともに大山さんの家に赴いて客間へと通されました。私たちを迎えたのは大山家の当主であるおじい様でした。90歳は超えているはずですがしっかりとした物腰で胡坐をかいて座っています。

「いえ、お招きいただきとても恐縮です」

「余計な話は抜きにしよう。康彦君、あんたは志津子さんを嫁にもらいたいんだって?」

 やはりその話だとおもうとドキリとしました。きっと私たちの不徳な考えに怒りを沸かせているに違いありません。私はつい言葉を詰まらせてしまいました。すると康彦が口を開いたのです。

「はい、そうです。おばあちゃんを、志津子さんを妻に・・・もらいたいのではなくもらったんです」

 はっきりとした口調でそう告げた康彦を大山のおじい様はじろりと見つめました。年老いてもその目の鋭さは鈍ることはありません。蛇のような目つきで睨まれても康彦は臆することなく堂々としていました。

「その意味わかっとるんか。ばあさんと孫だろ。血が繋がってる者同士は夫婦にはなれん。それにお前さんはまだ中学生だろに」

「わかってます。それでも僕は志津子を本気で愛していて結婚したいんです。戸籍上は結婚できませんけど、生涯の伴侶として志津子を守っていきたいんです。そのために夫婦の誓いをかわしました」

 自分の正直な気持ちを打ち明ける康彦は隠すことなく私への想いを打ち明けました。その真剣さは大山のおじい様にもきっと伝わったと思います。
 私も横でじっとしているわけにはいかず頭を下げました。

「私も康彦のことを愛しています。自分の孫ですが彼のことを男として愛しています。残りの人生を彼のためにささげる覚悟です」

 私が言い終わると客間が静寂に包まれました。頭をさげているので大山のおじい様の様子を見ることはできません。康彦とともにじっとおじい様の反応を待ちました。

「そういうことなら仕方ないな。てっきり冗談かと思ったが・・・世間が認めなくてもワシはお前さん方を夫婦として認めるよ」

 おじい様の言葉に胸のつかえがとれました。てっきり雷が落ちるものだと思っていましたので私たちの結婚を認めるという言葉出るとは思いませんでした。顔を上げると少し大山のおじい様は口元を少し緩ませていました。

「ありがとうございます。そんなことを言ってもらえるなんて」

 思わず私も笑みが零れました。隣を見ると康彦も同じように笑顔になっています。自己満足というだけでなく自分たちの婚姻が人に認められたことがとても幸せでした。
 私たちはその日から胸を張って生活することができるようになりました。大山のおじい様のお蔭なのか周りもだんだんと私たちについて苦言を漏らす人もいなくなりました。まだ中学生の康彦は日中は中学校へ普通の学生として登校しており、そこでは結婚したことはまったく口にはしません。集落の中でだけ私たちの関係は公に認めらています。

 しばらくして再び大山さんに呼ばれました。

「え?結婚式ですか?」

「そうだ、籍は入れられなくても式くらいあげなさい」

「私は康彦といられるだけで充分ですから。そのようなことはするつもりはありません」

「金や準備は何も心配しなくていい。めでたいことなんだから式を挙げよう。夫婦ってのはお互いが納得するだけじゃだめだ。きちんと神様と周りの人に誓いを立てんといかん。口先だけで結婚したといったわけじゃないんじゃろ?」

 私はなにも言い返すことができませんでした。すでに大山のおじい様は準備をはじめていて神社には話がついているということでした。費用はすべて出すとまで言われてかなりの意気込みでした。なぜそこまで私たちに力を貸してくれるのかとても疑問でした。

「あんたが旦那が死んだときひどく落ち込んでいた姿を今でも忘れん。どんなに明るくふるまっても旦那が死んだ影がずっとつきまとっているみたいだった。それに康彦君も親が死んでずいぶん暗そうだったのを覚えとる。どうにかこの二人には幸せになって笑顔になってもらたいとおもっとったんだ」

「そんなに気を掛けてもらっていたなんて感謝の言葉もありません」

「もうここは老人ばかりで若い者は余所へ行ってしまった。新しく夫婦になるもんはこれで最後かもしれん。昔みたいに神社で派手な結婚式をするところ見たい。この土地、人の姿を最後にしっかり見ておきたい」


 それからあっという間に挙式の日を迎えました。

「志津子さん、きれい」

 近所の奥さんたちに着付けを手伝ってもらい白無垢に袖を通しました。再び着ることになるなんて思いもしませんでした。大山さんが用意しれくれたもので私が亡き主人のために着たものよりも遥かに上等な品を着させてもらいました。しっかりと化粧もしてもらい、髪を結いあげて角隠しを被りました。
 着替えてから社務所を出て奥さんに付き添ってもらいながら本殿へと向かいます。
 室町時代からあるといわれる古い神社、この集落の信仰の象徴として長らく愛されきましたが最近は寂れて正月くらいにしか人は来ない場所になっていました。しかし今日の私たちの結婚式のために多くの人が詰めかけています。集落を挙げての催し物となってしまい、皆が私の白無垢姿に見入っていました。

「結婚おめでとう。今日は一段ときれいだぜ」

「おめでとう。俺が志津子さんと結婚したかったぜ、ったく」

 社務所から本殿に向かう途中、皆が口々にお祝いの言葉を言ってくれました。ゆっくりと一歩ずつ歩いて行くと本殿の前に紋付き袴の若い男が待ち構えています。袴姿の康彦はいつもよりもとても凛々しく大人びた感じがしました。私の姿をみると口をあけて固まってしまいました。

「おばあちゃん、きれい・・・・」

「そんなに見つめられたら恥ずかしい。康彦もとってもかっこいい」

 本殿に上がり婚礼の儀をはじめました。遊びではなくきちんとした儀式で神主さんも私たちのことをわかった上で祭事を執り行ってくれています。盃を受け取って三三九度でいただいて神様の前で夫婦の契りを結びました。相手は孫だというのに違和感はなにもありません。堂々と神様に私たちが夫婦であることを見てもらいました。

「志津子さん、康彦君。ご結婚おめでとう。これで二人は晴れて本物の夫婦だ。これから何があってもお互いを支えあいっていきていきなさい」

 儀式が終わると大山のおじい様が私たちの前にやってきてお祝いの言葉をかけてくれました。すべてを取り計らってくれたおじい様に深々と頭を下げました。
 本殿を出ると待ち構えていた皆が万歳三唱をしました。

「田辺康彦、志津子の結婚を祝って万歳!」

「万歳!!」

 多くは60歳を過ぎた高齢者ばかりですが手を大きく上げて、大声で万歳を叫びます。普段は寂れてしまい、活気を失ってしまいっています。ですが今日はだれもが笑顔でうれしそうにしています。かつてはこうして年に何組もの夫婦がここで結婚してみんなでお祝いしたものです。誰もが家族のような土地だからこその良さがありました。徐々に村で式を挙げる人はいなくなり、土地の絆というものがなくなりつつあります。皆かつての良き集落の時代を思い出しているのかもしれません。老いていく自分と壊れる集落への絶望を忘れるように式は盛り上がりました。
 過疎化が進んで忘れられようとしている集落の最後の輝きとも思える日でした。


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