一人旅 ~名前も知らない相手と~
貯めたバイト代で春休みに俺はバイク旅行に行くことにした。バイクといっても16の俺が乗れるのは原付でそう遠くまでは行くことはできない。それでも住み慣れた街を離れて一人で出かけるのは新鮮だった。
共働きで忙しい両親とあまり折り合いが良くなかった俺は家にいることが好きではなかった。だからはじめて中古のバイクを手に入れたときは嬉しかったし、それでいつか遠出してみようと思っていたのだ。
あてもなくただ道なりに行けるところまで行ってみよう、そう思って出掛けたものの寝ることを考えておらず結局偶然見つけた旅館に泊まることにした。宿泊費は安くはなかったが他に選択肢はなかったのだ。
「せっかくだから露天風呂にも行ってみるか」
この旅館には自慢の露天風呂があるらしいので行ってみることにした。家族旅行なんてほとんど経験のない俺には露天風呂は魅力的だったのだ。行ってみると泉のような大きな風呂が広がっていた。湯気が上がるその露天風呂には人は見えず、俺しかいないようだ。旅館自体も他の客と出会うことはなかったのできっと今日はほかに客はいないのだろう。そう思うと気持ちが解放されよりリラックスすることができた。
外気は冷たいが湯は熱く、その湯に浸かりながら満点の星空を見上げると最高の気分だった。
「はぁ、いい湯だな」
湯に浸かり気持ちよくなった俺はつい大声でそう言ってしまった。すると奥から女の人の小さな笑い声が聞こえたのだ。
「誰かいるんですか?」
「ごめんなさい。あなたがすごく気持ちよさそうな声を上げたものだからつい笑ってしまったの」
優しい女の人の声とともに湯気に人の影が浮かび上がり近づいてきた。細身で小柄、そのシルエットに俺はつい動揺してしまう。現れたのは白い肌にショートの真っ白な髪、そして整った顔立ちをしているが深い皺が刻まれている高齢の女性だった。
「すみません。誰もいないと思ってて」
「いえ、笑った私が悪いんです。ずいぶん若いけどいくつ?」
「16です」
相手は俺のすぐ隣までやってくるとそこで腰を下ろした。姿が見えないところから話しかけられるより安心するが身体をタオルで隠そうとせず他人の俺の前でも平気で裸体を晒して湯に浸かっていたのだ。相手が老齢とはいえまだ女の裸をろくに見たことのない俺には刺激が強すぎる。つい視線が身体のほうへと向こうとするのを必死で逸らした。
「バイクで一人旅いいわね」
相手のおばあさんはゆっくりと落ち着いた口調で上品な笑みを浮かべた。きっとすごくいいところの人なんだろう。身なりが裸であってもその品の良さは伝わってくる。いや、だからこそ身に沁みついた本物の品格が際立っているのかもしれない。
身体に目をやらない様にしながら時折顔を見ると優しく俺を見つめていた。その視線につい変な気分になってしまいそうだ。相手は祖母よりも年上かもしれないというのに俺はかなり動揺していた。自分でもこんなにも動揺してしまうのが不思議でならないほどだ。
「どこから来たの?」
俺が住んでいる場所を言うと女性は目を大きくして驚いた。
「私も昔そこに住んでたの。駅から北にある学校の近くに」
「俺もそのあたりです。公園の手前です」
「まあ」
思わぬ共通の話題があったことで俺たちは話が盛り上がっていった。緊張して視線が泳いでいた俺もそれでなんとか自分の意識を保つことができ、より普通に話すことができた。おばあさんの方は俺をさらに身近に感じたらしく口数が増えていき饒舌になっていったのだ。旅先ではこんなことも楽しみの一つなのだろうか。出会ったばかりの人とこんなにも話すことが楽しいとは思わなかった。
「こんなところまで一人で来るなんてしっかりしてるわね。ご両親は心配してないの」
「特になにも気にしてないみたいです。二人とも仕事で忙しいから放任主義みたいなかんじなんですよ」
「そうなの」
それを聞いたおばあさんは寂しそうに答え、ふっと息を吐いた。
「私も子供とあまり仲が良くないのよ」
おばあさんには子供がいるが関係は悪いらしい。おばあさんはしっかりした人間に育ってもらおうと厳しくしつけをしたことがかえって子供の反発を招き、その溝はいまもまだ深いそうだ。
「もう子供って言ってもいい年なのよ。けれどもうずっと顔を合わせてもないの。最期にあったのは夫の葬儀の時だったかしらね、それとも孫の成人式だったか」
「自分から会いに行かないんですか?」
何気なく俺はそう聞いてしまったがおばさんは言葉に詰まっていた。
「いまさら・・・どんな顔をして会いに行けばいいのかわからない。もうずっと仲が悪いんだからいいのよ」
俺から目を逸らしておばさんはそう答えたがそれはとても本心とは思えなかった。俺の親も時々そういう顔をする。わざと距離を置きたがっているようなそんな雰囲気だ。
「あなたはとても他人想いの優しい子ね。私の家みたいになっちゃだめ。お父さんお母さんとは仲良くしなさい」
「俺だっていまさらどうすれば仲良くできるかなんてわかりません。あっちも俺にどう接していいのかわからないと思うんです」
自分が言った言葉がそのまま帰ってくると俺も言葉に詰まってしまう。これまでずっと築かれてきた関係を変えるなんて簡単なことではないのだ。おばあさんと子供もきっとそうなのだろう。
「なんだかあなたのことが他人に思えない。自分を見てるみたいで辛いの」
「俺も・・・おばさんの気持ちわかります」
湯の中でおばさんが俺の手を握ってきた。細くて長い指が俺の手を包み込んでいくと俺も自然とその手を握ってしまった。
「すごく身近にあなたのことが思えてくる」
「俺も・・・知らない人って気がしなくて」
視線をやるとおばあさんも同じように俺に視線を向け目が合った。真っ白な綺麗な頬がやや赤らんでいる。その表情がとても綺麗で俺は一気に惹かれてしまった。おばあさんの顔を見つめていくうちに心臓の鼓動がどんどん高鳴り、これまで感じたことのないほどの感情の高ぶりを実感していく。その感情をとても抑えることなんてできなかった。
それはおばあさんも同じだったようだ。瞬きもせずにしばらく見つめ合っていたが堰を切ったように感情が爆発し、互いに顔を寄せ合った。唇が重なるとおばあさんが瞳を閉じていくのを見て俺も目を閉じ、唇の感触に集中していく。生まれてはじめてのキス、それは想像していたよりもずっと心地よいものだった。
「お、おばさん・・・」
こんな形でファーストキスをするなんて想像もしなかった。まだ名前も知らない老齢の女、その人に俺は夢中になって唇を当てていく。
「ごめんなさい。こんなおばあさんじゃ嫌よね」
「そんなことないです。俺、おばさんのこと全然嫌じゃないです」
キスをしたことに恥じらいを見せるおばあさんが可愛く見えてならない。おばあさんに身体を寄せていき肩がぶつかりあった。握っている手にもより力が入ってしまう。
「もう一度キスしていいですか?」
そう聞くと少し戸惑っていたが、おばあさんは顔を寄せた俺を見上げ瞳を閉じて唇を突き出した。俺は躊躇わずその唇へと自分の唇をかさねていく。甘い感触に夢中になり、吸い付いていくとおばあさんの甘い吐息が唇からわずかに吐き出されてくる。
「はぁ・・」
性を知らない俺の身体はますます熱気が増し、気持ちもより高ぶっていった。握った手と反対の手をそっとおばあさんの身体へと近づけていった。震える指が湯の中でおばあさんの脇腹へと触れていく。くすぐったいのかやや表情をしかめていた。
「ごめんなさい」
「いえ、いいの。ひょっとして女の人はじめて」
俺が小さくうなずくとおばあさんは俺を優しく見つめてくれた。まるで子供を想う親のような優しい表情だ。その表情で緊張していた気持ちが少しばかり和らいでいく。
「さっきから私の身体を意識してるから可愛いって思ってたの。いいのよ、触って」
「怒りませんか?」
おばあさんはにこやかな表情を浮かべていた。脇腹を触れていた手を少しづつ上に上げていくと徐々にこちらへと膨らんだ形へと変わっていく。視線を下げると湯の中でおばあさんの小さな胸が揺れて見え、その上へと俺の手が重なっていった。
「変な気分、こんな年になって若い子が顔を真っ赤にして触ってくるなんて」
「おばさん綺麗ですから・・・なんだか夢みたい」
そっと表面を撫でるように触れていた手に力を入れていくと柔らかい感触が掌に広がっていく。本物の乳房の感触をじっくりと味わうように揉むとおばあさんは瞳を閉じ、俺の指の感触を堪能しているようだった。
「はぁ・・・本当、夢みたい」
会って間もない老齢の女性の乳房を揉んでいることに背徳感さえ感じる。それがより興奮に繋がっているのは俺だけではないのだろう。おばあさんも俺が揉むのに合わせて息をより上げていった。
「んっ・・・ふう・・・ふう・・・」
俺の行為で興奮してくれているのなら嬉しくてならない。おばあさんへと顔を近づけると再度キスをした。おばあさんは荒い息を上げながら俺の唇をさらに強く求めてくる。
「はぁ・・・はぁ・・・もっと強く揉んで・・・握るように揉んで」
それまで遠慮がちにもんでいた手にしっかりと力を入れて揉むとおばあさんはより息を上げていく。両手に収まる小ぶりな乳房を握るように強く揉み、おばあさんと何度もキスを交わしていった。唇を重ねるだけでは物足りず、興味本位で舌を唇から出すと驚くことにおばあさんも舌を出してきたのだ。互いの舌が重なり合うとすぐに口を大きく開け絡め合った。
「んんん・・・お、おばさん」
「やめないで」
胸を揉みながら舌をおばあさんの口内深くへと入れ、舌が絡まり合っていく。もっとおばあさんに近づきたいと身体を寄せると予想外の物が妨げとなった。すっかり俺のペニスは勃起していたのだ。それが近づこうとした俺の身体から前に突き出ておばあさんの腹に当たってしまっている。
「若いわね」
「ごめんなさい」
「謝ることはないでしょう。自然なことよ」
そう言うとおばあさんの手が優しく俺のペニスへと触れてきた。はじめて他人に触れられて驚いてペニスが震えてしまったがおばあさんはそれさえも可愛いとばかりに笑って指で包み込んでいった。自分で触るのとは全く違う感触にますますペニスが敏感に反応してしまう。
「うう!ヤバ・・・」
おばあさんは何も言わず俺のを握り続けた。その手の中でさらに感じてしまい、今度は俺が荒い息を上げながら全身を震わせていく。そしてもう欲望を抑えきることができなかった。不安を覚えながらもおばあさんを見つめて口を開いていく。
「おばさんと・・・セックスしたいです」
それを聞いておばあさんは少女のように可憐な笑顔を見せたのだ。
「私もあなたとしてみたい」
おばあさんはペニスを片手で上へと持ち上げその上へと跨っていった。今から本当にするのだと思うと期待と同時に恐怖が入り混じった不思議な感情に包まれていく。
「あまり期待してないでね」
「ううん、俺のほうこそ童貞だから」
おばあさんが手を沿えたペニスの上に少しづつ腰を下ろしていく。湯の中で硬い先端が柔らかい未知の感触に包み込まれていった。
「ああ!」
「ん!だめ、動かないで!」
俺へとおばあさんは強く抱きつきさらに腰を下ろしていくとペニスがより包み込まれていく。今まさにおばあさんの膣に入っているのだ。そう意識するとさらにペニスに力が漲っていく。俺に跨ったおばあさんがわずかに震え、苦しそうにしていた。
「すごく久しぶりだから・・あっ・・・あまり興奮しないで」
そう言われてもはじめてのことに興奮しないわけがない。苦しそうにするおばあさんを前に必死に抑えようとするが湧き上がってくる欲情を抑えきることはできない。
「ふっ!うう・・・おばさん!」
腰を下ろしていくおばさんの尻に両手を当て、少しづつ自分から入れていった。奥へと入っていくとよりペニスへの密着する感触が伝わってくる。
「や!だめ!」
他にだれか来るかもしれない、しかも相手は名前も知らない老齢の女性としているという退廃的な行為が俺の性欲をますます刺激していく。柔らかい尻を掴んでいき、ペニスを奥へと進め、ついに根元まで中に入ってしまった。
「全部入っちゃった」
「こんな若い子が私に・・・」
おばあさんは俺の胸へと身体を寄せてきて繋がっていることをじっくりと堪能しているようだった。俺が少し腰を動かすとおばあさんは大きく震えて驚いた。
「やん!だめ!」
「ごめんなさい」
「すごく久しぶりで私の身体が驚くの」
それからおばあさんはゆっくりと腰を上下に動かした。わずかにペニスへと擦れる刺激が伝わると俺も心地よくて呼吸を上げながら少し身体を揺らしていく。するとおばあさんもまた身体を動かしていく。
「そう、そうやって少しづつ・・・はぁ、いいわ」
「おばさん、俺も」
胸の中に納まった華奢なおばあさんを抱きしめ身体を揺らしながらキスを交わした。これまでこんなにも他人を愛おしいと思ったことはない。肉体が繋がり、おばあさんのことがより近い存在へと思えてきた。
「はぁん!」
満天の星空のもとに響くおばあさんの声、その口を時折塞ぎながらも互いに身体を寄せ合っていく。激しくはなく、ゆっくりとした行為だがはじめてとしては最高のものだ。
「もう出そう・・・です」
「いいわよ。出して。平気だから」
その言葉に身体はすぐさま反応し、おばあさんの中へ精液を放ってしまった。力いっぱいペニスが脈打ち、祖母よりも年上であろう女性の身体の中へと出していく。おばあさんは俺の身体に抱きつき顔を真っ赤にして言葉にならない声を上げていった。
「んんふうう!!!」
とても短い時間だったはずだが長く続いていたかのように思える。射精を終え、全身の力が抜けていくと、おばあさんもぐったりと俺に体重を預け、激しかった呼吸が収まっていった。
「おばさん、大丈夫?」
ぐったりとしているおばあさんの顔を覗き込むと俺の目からさらに顔を背け、赤くなっていた。
「大丈夫。ただ、勢いで自分がしたことが恥ずかしくて・・・」
俺も同じ気持ちだ。恥ずかしがる名前も知らないおばあさんを俺は優しく抱きしめた。
あてもなくただ道なりに行けるところまで行ってみよう、そう思って出掛けたものの寝ることを考えておらず結局偶然見つけた旅館に泊まることにした。宿泊費は安くはなかったが他に選択肢はなかったのだ。
「せっかくだから露天風呂にも行ってみるか」
この旅館には自慢の露天風呂があるらしいので行ってみることにした。家族旅行なんてほとんど経験のない俺には露天風呂は魅力的だったのだ。行ってみると泉のような大きな風呂が広がっていた。湯気が上がるその露天風呂には人は見えず、俺しかいないようだ。旅館自体も他の客と出会うことはなかったのできっと今日はほかに客はいないのだろう。そう思うと気持ちが解放されよりリラックスすることができた。
外気は冷たいが湯は熱く、その湯に浸かりながら満点の星空を見上げると最高の気分だった。
「はぁ、いい湯だな」
湯に浸かり気持ちよくなった俺はつい大声でそう言ってしまった。すると奥から女の人の小さな笑い声が聞こえたのだ。
「誰かいるんですか?」
「ごめんなさい。あなたがすごく気持ちよさそうな声を上げたものだからつい笑ってしまったの」
優しい女の人の声とともに湯気に人の影が浮かび上がり近づいてきた。細身で小柄、そのシルエットに俺はつい動揺してしまう。現れたのは白い肌にショートの真っ白な髪、そして整った顔立ちをしているが深い皺が刻まれている高齢の女性だった。
「すみません。誰もいないと思ってて」
「いえ、笑った私が悪いんです。ずいぶん若いけどいくつ?」
「16です」
相手は俺のすぐ隣までやってくるとそこで腰を下ろした。姿が見えないところから話しかけられるより安心するが身体をタオルで隠そうとせず他人の俺の前でも平気で裸体を晒して湯に浸かっていたのだ。相手が老齢とはいえまだ女の裸をろくに見たことのない俺には刺激が強すぎる。つい視線が身体のほうへと向こうとするのを必死で逸らした。
「バイクで一人旅いいわね」
相手のおばあさんはゆっくりと落ち着いた口調で上品な笑みを浮かべた。きっとすごくいいところの人なんだろう。身なりが裸であってもその品の良さは伝わってくる。いや、だからこそ身に沁みついた本物の品格が際立っているのかもしれない。
身体に目をやらない様にしながら時折顔を見ると優しく俺を見つめていた。その視線につい変な気分になってしまいそうだ。相手は祖母よりも年上かもしれないというのに俺はかなり動揺していた。自分でもこんなにも動揺してしまうのが不思議でならないほどだ。
「どこから来たの?」
俺が住んでいる場所を言うと女性は目を大きくして驚いた。
「私も昔そこに住んでたの。駅から北にある学校の近くに」
「俺もそのあたりです。公園の手前です」
「まあ」
思わぬ共通の話題があったことで俺たちは話が盛り上がっていった。緊張して視線が泳いでいた俺もそれでなんとか自分の意識を保つことができ、より普通に話すことができた。おばあさんの方は俺をさらに身近に感じたらしく口数が増えていき饒舌になっていったのだ。旅先ではこんなことも楽しみの一つなのだろうか。出会ったばかりの人とこんなにも話すことが楽しいとは思わなかった。
「こんなところまで一人で来るなんてしっかりしてるわね。ご両親は心配してないの」
「特になにも気にしてないみたいです。二人とも仕事で忙しいから放任主義みたいなかんじなんですよ」
「そうなの」
それを聞いたおばあさんは寂しそうに答え、ふっと息を吐いた。
「私も子供とあまり仲が良くないのよ」
おばあさんには子供がいるが関係は悪いらしい。おばあさんはしっかりした人間に育ってもらおうと厳しくしつけをしたことがかえって子供の反発を招き、その溝はいまもまだ深いそうだ。
「もう子供って言ってもいい年なのよ。けれどもうずっと顔を合わせてもないの。最期にあったのは夫の葬儀の時だったかしらね、それとも孫の成人式だったか」
「自分から会いに行かないんですか?」
何気なく俺はそう聞いてしまったがおばさんは言葉に詰まっていた。
「いまさら・・・どんな顔をして会いに行けばいいのかわからない。もうずっと仲が悪いんだからいいのよ」
俺から目を逸らしておばさんはそう答えたがそれはとても本心とは思えなかった。俺の親も時々そういう顔をする。わざと距離を置きたがっているようなそんな雰囲気だ。
「あなたはとても他人想いの優しい子ね。私の家みたいになっちゃだめ。お父さんお母さんとは仲良くしなさい」
「俺だっていまさらどうすれば仲良くできるかなんてわかりません。あっちも俺にどう接していいのかわからないと思うんです」
自分が言った言葉がそのまま帰ってくると俺も言葉に詰まってしまう。これまでずっと築かれてきた関係を変えるなんて簡単なことではないのだ。おばあさんと子供もきっとそうなのだろう。
「なんだかあなたのことが他人に思えない。自分を見てるみたいで辛いの」
「俺も・・・おばさんの気持ちわかります」
湯の中でおばさんが俺の手を握ってきた。細くて長い指が俺の手を包み込んでいくと俺も自然とその手を握ってしまった。
「すごく身近にあなたのことが思えてくる」
「俺も・・・知らない人って気がしなくて」
視線をやるとおばあさんも同じように俺に視線を向け目が合った。真っ白な綺麗な頬がやや赤らんでいる。その表情がとても綺麗で俺は一気に惹かれてしまった。おばあさんの顔を見つめていくうちに心臓の鼓動がどんどん高鳴り、これまで感じたことのないほどの感情の高ぶりを実感していく。その感情をとても抑えることなんてできなかった。
それはおばあさんも同じだったようだ。瞬きもせずにしばらく見つめ合っていたが堰を切ったように感情が爆発し、互いに顔を寄せ合った。唇が重なるとおばあさんが瞳を閉じていくのを見て俺も目を閉じ、唇の感触に集中していく。生まれてはじめてのキス、それは想像していたよりもずっと心地よいものだった。
「お、おばさん・・・」
こんな形でファーストキスをするなんて想像もしなかった。まだ名前も知らない老齢の女、その人に俺は夢中になって唇を当てていく。
「ごめんなさい。こんなおばあさんじゃ嫌よね」
「そんなことないです。俺、おばさんのこと全然嫌じゃないです」
キスをしたことに恥じらいを見せるおばあさんが可愛く見えてならない。おばあさんに身体を寄せていき肩がぶつかりあった。握っている手にもより力が入ってしまう。
「もう一度キスしていいですか?」
そう聞くと少し戸惑っていたが、おばあさんは顔を寄せた俺を見上げ瞳を閉じて唇を突き出した。俺は躊躇わずその唇へと自分の唇をかさねていく。甘い感触に夢中になり、吸い付いていくとおばあさんの甘い吐息が唇からわずかに吐き出されてくる。
「はぁ・・」
性を知らない俺の身体はますます熱気が増し、気持ちもより高ぶっていった。握った手と反対の手をそっとおばあさんの身体へと近づけていった。震える指が湯の中でおばあさんの脇腹へと触れていく。くすぐったいのかやや表情をしかめていた。
「ごめんなさい」
「いえ、いいの。ひょっとして女の人はじめて」
俺が小さくうなずくとおばあさんは俺を優しく見つめてくれた。まるで子供を想う親のような優しい表情だ。その表情で緊張していた気持ちが少しばかり和らいでいく。
「さっきから私の身体を意識してるから可愛いって思ってたの。いいのよ、触って」
「怒りませんか?」
おばあさんはにこやかな表情を浮かべていた。脇腹を触れていた手を少しづつ上に上げていくと徐々にこちらへと膨らんだ形へと変わっていく。視線を下げると湯の中でおばあさんの小さな胸が揺れて見え、その上へと俺の手が重なっていった。
「変な気分、こんな年になって若い子が顔を真っ赤にして触ってくるなんて」
「おばさん綺麗ですから・・・なんだか夢みたい」
そっと表面を撫でるように触れていた手に力を入れていくと柔らかい感触が掌に広がっていく。本物の乳房の感触をじっくりと味わうように揉むとおばあさんは瞳を閉じ、俺の指の感触を堪能しているようだった。
「はぁ・・・本当、夢みたい」
会って間もない老齢の女性の乳房を揉んでいることに背徳感さえ感じる。それがより興奮に繋がっているのは俺だけではないのだろう。おばあさんも俺が揉むのに合わせて息をより上げていった。
「んっ・・・ふう・・・ふう・・・」
俺の行為で興奮してくれているのなら嬉しくてならない。おばあさんへと顔を近づけると再度キスをした。おばあさんは荒い息を上げながら俺の唇をさらに強く求めてくる。
「はぁ・・・はぁ・・・もっと強く揉んで・・・握るように揉んで」
それまで遠慮がちにもんでいた手にしっかりと力を入れて揉むとおばあさんはより息を上げていく。両手に収まる小ぶりな乳房を握るように強く揉み、おばあさんと何度もキスを交わしていった。唇を重ねるだけでは物足りず、興味本位で舌を唇から出すと驚くことにおばあさんも舌を出してきたのだ。互いの舌が重なり合うとすぐに口を大きく開け絡め合った。
「んんん・・・お、おばさん」
「やめないで」
胸を揉みながら舌をおばあさんの口内深くへと入れ、舌が絡まり合っていく。もっとおばあさんに近づきたいと身体を寄せると予想外の物が妨げとなった。すっかり俺のペニスは勃起していたのだ。それが近づこうとした俺の身体から前に突き出ておばあさんの腹に当たってしまっている。
「若いわね」
「ごめんなさい」
「謝ることはないでしょう。自然なことよ」
そう言うとおばあさんの手が優しく俺のペニスへと触れてきた。はじめて他人に触れられて驚いてペニスが震えてしまったがおばあさんはそれさえも可愛いとばかりに笑って指で包み込んでいった。自分で触るのとは全く違う感触にますますペニスが敏感に反応してしまう。
「うう!ヤバ・・・」
おばあさんは何も言わず俺のを握り続けた。その手の中でさらに感じてしまい、今度は俺が荒い息を上げながら全身を震わせていく。そしてもう欲望を抑えきることができなかった。不安を覚えながらもおばあさんを見つめて口を開いていく。
「おばさんと・・・セックスしたいです」
それを聞いておばあさんは少女のように可憐な笑顔を見せたのだ。
「私もあなたとしてみたい」
おばあさんはペニスを片手で上へと持ち上げその上へと跨っていった。今から本当にするのだと思うと期待と同時に恐怖が入り混じった不思議な感情に包まれていく。
「あまり期待してないでね」
「ううん、俺のほうこそ童貞だから」
おばあさんが手を沿えたペニスの上に少しづつ腰を下ろしていく。湯の中で硬い先端が柔らかい未知の感触に包み込まれていった。
「ああ!」
「ん!だめ、動かないで!」
俺へとおばあさんは強く抱きつきさらに腰を下ろしていくとペニスがより包み込まれていく。今まさにおばあさんの膣に入っているのだ。そう意識するとさらにペニスに力が漲っていく。俺に跨ったおばあさんがわずかに震え、苦しそうにしていた。
「すごく久しぶりだから・・あっ・・・あまり興奮しないで」
そう言われてもはじめてのことに興奮しないわけがない。苦しそうにするおばあさんを前に必死に抑えようとするが湧き上がってくる欲情を抑えきることはできない。
「ふっ!うう・・・おばさん!」
腰を下ろしていくおばさんの尻に両手を当て、少しづつ自分から入れていった。奥へと入っていくとよりペニスへの密着する感触が伝わってくる。
「や!だめ!」
他にだれか来るかもしれない、しかも相手は名前も知らない老齢の女性としているという退廃的な行為が俺の性欲をますます刺激していく。柔らかい尻を掴んでいき、ペニスを奥へと進め、ついに根元まで中に入ってしまった。
「全部入っちゃった」
「こんな若い子が私に・・・」
おばあさんは俺の胸へと身体を寄せてきて繋がっていることをじっくりと堪能しているようだった。俺が少し腰を動かすとおばあさんは大きく震えて驚いた。
「やん!だめ!」
「ごめんなさい」
「すごく久しぶりで私の身体が驚くの」
それからおばあさんはゆっくりと腰を上下に動かした。わずかにペニスへと擦れる刺激が伝わると俺も心地よくて呼吸を上げながら少し身体を揺らしていく。するとおばあさんもまた身体を動かしていく。
「そう、そうやって少しづつ・・・はぁ、いいわ」
「おばさん、俺も」
胸の中に納まった華奢なおばあさんを抱きしめ身体を揺らしながらキスを交わした。これまでこんなにも他人を愛おしいと思ったことはない。肉体が繋がり、おばあさんのことがより近い存在へと思えてきた。
「はぁん!」
満天の星空のもとに響くおばあさんの声、その口を時折塞ぎながらも互いに身体を寄せ合っていく。激しくはなく、ゆっくりとした行為だがはじめてとしては最高のものだ。
「もう出そう・・・です」
「いいわよ。出して。平気だから」
その言葉に身体はすぐさま反応し、おばあさんの中へ精液を放ってしまった。力いっぱいペニスが脈打ち、祖母よりも年上であろう女性の身体の中へと出していく。おばあさんは俺の身体に抱きつき顔を真っ赤にして言葉にならない声を上げていった。
「んんふうう!!!」
とても短い時間だったはずだが長く続いていたかのように思える。射精を終え、全身の力が抜けていくと、おばあさんもぐったりと俺に体重を預け、激しかった呼吸が収まっていった。
「おばさん、大丈夫?」
ぐったりとしているおばあさんの顔を覗き込むと俺の目からさらに顔を背け、赤くなっていた。
「大丈夫。ただ、勢いで自分がしたことが恥ずかしくて・・・」
俺も同じ気持ちだ。恥ずかしがる名前も知らないおばあさんを俺は優しく抱きしめた。