祖母の身体 ~カノジョ~
夏休みを終えたころになると付き合いだす同級生が急に増えてきた。最初は知らない者同士だったみんなも半年近く一緒にいれば顔見知りになりそのうち付き合いだす男女も出てくるだろう。ちょうどそんな時期なのだ。
「加藤とB組の五十嵐が付き合ってるらしいな」
昼食の時間に話す話題は最近この手の話が多い。誰が誰と付き合っているとか振られたとか、毎日そんな噂が飛び交う。思春期真っ盛りの学生は特にこの手の話が好きだ。
俺は正直興味ない。しかし形だけでも興味があるふりをしていつも話を聞いていた。
「そういえば大柴はどうなんだ?」
急に俺に話を振られて戸惑った。
「俺か?俺は別に・・・」
「夏休み前に佐藤ちゃん振ったってきいたぞ。他に好きな人がいるからって」
確かにそういう断り方をしたし間違いではない。けどその好きな相手が自分の祖母だなんて言えるわけがない。それでは学校生活が終わってしまう。
「ああ、確かにいるよ」
「誰だよ、教えろよ」
「その・・・この学校じゃないからお前らが知ってる人じゃない」
こう言えば逃げきれるかと思ったがさらに友人たちは食いついてきた。
「どこの学校?教えろって!」
「同級生?」
「いや、年上・・・けっこう」
「マジか!!」
一同が唖然とした。俺は必死にどうすればこの話題を切り上げられるか考えていたがそれ以上に友人たち、さらには周りで話を聞いていたクラスメイトまで寄ってきた。
「まさか大学生?オトナ?」
「まあ・・・オトナだな」
「それで付き合ってるのか?」
「・・・うん、まあ」
話を聞いていた連中は「おお!」と声を上げて驚いていて大騒ぎになってしまった。これ以上なにを聞かれるかわからない。あとは適当なことを言ってどうにか切り抜けようと考えた。
「画像見せろよ。名前は」
「いや、画像とか持ってないし。いいだろ、誰と付き合っても。もう放っておいてくれ」
その日は下校までしつこくいろんなやつから質問されたが全部適当にはぐらかせて逃げた。でも嘘をついていると思っている人間はいないようだった。「なんか大人びている」「イケメンだからありえる」「同級生に興味なさそうなのはそうだったからか」など各々納得してくれたようだ。
学校を出てスマホを取り出して画像ファイルを開いた。そこには祖母の画像でうめつくされている。普段の祖母からとても人には見せられないような姿まで。これが俺の彼女、ガキみたいな同級生の女たちとは違う本物の女なのだ。他のやつらが手にいれらないものを手にしているという気持ちで祖母の画像を見て俺は優越感に浸っていた。
それ以来、卒業するまで俺に告白する女はいなくなり、変な詮索もされなくなった。俺は祖母一筋、その気持ちに迷いはなかった。
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「加藤とB組の五十嵐が付き合ってるらしいな」
昼食の時間に話す話題は最近この手の話が多い。誰が誰と付き合っているとか振られたとか、毎日そんな噂が飛び交う。思春期真っ盛りの学生は特にこの手の話が好きだ。
俺は正直興味ない。しかし形だけでも興味があるふりをしていつも話を聞いていた。
「そういえば大柴はどうなんだ?」
急に俺に話を振られて戸惑った。
「俺か?俺は別に・・・」
「夏休み前に佐藤ちゃん振ったってきいたぞ。他に好きな人がいるからって」
確かにそういう断り方をしたし間違いではない。けどその好きな相手が自分の祖母だなんて言えるわけがない。それでは学校生活が終わってしまう。
「ああ、確かにいるよ」
「誰だよ、教えろよ」
「その・・・この学校じゃないからお前らが知ってる人じゃない」
こう言えば逃げきれるかと思ったがさらに友人たちは食いついてきた。
「どこの学校?教えろって!」
「同級生?」
「いや、年上・・・けっこう」
「マジか!!」
一同が唖然とした。俺は必死にどうすればこの話題を切り上げられるか考えていたがそれ以上に友人たち、さらには周りで話を聞いていたクラスメイトまで寄ってきた。
「まさか大学生?オトナ?」
「まあ・・・オトナだな」
「それで付き合ってるのか?」
「・・・うん、まあ」
話を聞いていた連中は「おお!」と声を上げて驚いていて大騒ぎになってしまった。これ以上なにを聞かれるかわからない。あとは適当なことを言ってどうにか切り抜けようと考えた。
「画像見せろよ。名前は」
「いや、画像とか持ってないし。いいだろ、誰と付き合っても。もう放っておいてくれ」
その日は下校までしつこくいろんなやつから質問されたが全部適当にはぐらかせて逃げた。でも嘘をついていると思っている人間はいないようだった。「なんか大人びている」「イケメンだからありえる」「同級生に興味なさそうなのはそうだったからか」など各々納得してくれたようだ。
学校を出てスマホを取り出して画像ファイルを開いた。そこには祖母の画像でうめつくされている。普段の祖母からとても人には見せられないような姿まで。これが俺の彼女、ガキみたいな同級生の女たちとは違う本物の女なのだ。他のやつらが手にいれらないものを手にしているという気持ちで祖母の画像を見て俺は優越感に浸っていた。
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